内容証明の書き方についての本を読んでいて、
「これは先に知っておいた方がいいな」と感じたことがありました。
それは、誰がその内容証明を出すのかという点です。
内容証明というと、
「行政書士が代わりにやってくれるもの」
そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。
たしかに、行政書士は内容証明の作成を業務として扱うことができます。
ただし、ここで一つ大事な前提があります。
それは、
行政書士は“代理人”として相手と交渉することはできない
ということです。
つまり、内容証明はあくまで
本人の意思として出される文書であり、
行政書士はその文書を作成する立場になります。
この違いは、一見すると小さく見えるかもしれません。
ですが、実務上はとても重要です。
例えば、
「代理人として請求します」
といった表現は、行政書士の業務の範囲を超えてしまう可能性があります。
そのため、内容証明を作るときは、
・誰の名義で出すのか
・どの立場で書かれているのか
この2点をきちんと意識しておく必要があります。
書き方やテンプレートも大切ですが、
それ以上に大事なのは、
**その文書が“誰の意思で出されているのか”**ということです。
以前、警察の窓口で仕事をしていたときも、
書面の内容以上に「誰が出したものか」が重要になる場面を何度も見てきました。
たとえば、車庫証明の申請でも、
ディーラーが作成した書類なのか、
本人が記入したものを提出しに来ているのかで、
扱いは大きく変わります。
一見すると同じような書類でも、
作成の経緯や立場によっては、
適法かどうか、有効かどうかに関わることもあるからです。
内容証明も同じで、
形式だけ整っていても、
「誰の意思で出されたものか」が曖昧なままだと、
かえってトラブルのもとになることがあります。
だからこそ、内容証明を考えるときは、
「どう書くか」の前に、
「誰として出すのか」を一度立ち止まって考えてみることが大切だと感じました。
実際に、内容証明を書こうとして手が止まってしまうこともあります。
→内容証明を書こうとして手が止まった話|出す前が一番むずかしい
内容証明は、怖いものでも特別なものでもありません。
ですが、使い方を間違えると、
本来の目的とは違う結果になってしまうこともあります。
そうならないためにも、まずは基本の部分から。
この記事が、その一つのきっかけになれば嬉しいです。
内容証明に限らず、
「どこまで相談していいのか分からない」と感じる方もいるかもしれません。

